けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記(旧)

「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」の旧サイトです。2015年7月までの記事を掲載しています。新サイトはhttp://kennygorou931.blog84.fc2.com/です。

LCレンディングにインタビューしました

また新たな融資型クラウドファンディングサービスが登場しました。
「LCレンディング」です。

http://www.lclending.co.jp/

LCレンディングには、maneo代表取締役社長の瀧本氏も取締役として参画されています。

今回も会社にお邪魔し、代表者および会社の皆様にインタビューさせていただきました。


LCレンディング写真1

左から
maneo株式会社代表取締役社長 瀧本憲治氏(株式会社LCレンディング取締役)
株式会社LCパートナーズ代表取締役社長 小山努氏(株式会社LCレンディング取締役)
株式会社LCレンディング 中山大輔氏(株式会社LCレンディング営業統括部マネージャー)
株式会社LCレンディング代表取締役社長 山中健司氏
株式会社LCパートナーズ取締役 小川喜之氏(株式会社LCレンディング取締役)

―ロジコム、LCパートナーズ、LCレンディングの3社の関係は
ロジコムは不動産業を手掛ける親会社であり、ジャスダックの上場企業である。

LCパートナーズは、ロジコムの100%子会社で、アセットマネジメント(不動産運用)を手掛ける。
現在までに主に機関投資家向けの私募ファンドを200億円弱運用している。

同じくLCレンディングもロジコムの100%子会社で、LCパートナーズが作るSPC(特別目的会社)向けに貸出を行う想定。

―LCレンディング設立の経緯は
ロジコム、LCパートナーズでは、不動産物件取得時の資金の70%から80%程度は銀行融資でまかなっているが、残りを他から調達する必要がある。
その資金は、これまでノンバンクを中心に借り入れを行っていたが、今後はLCレンディングを通じて調達したい。

―サービス開始はいつからの予定か
7月からサービス開始予定

―LCレンディング代表取締役 山中健司氏の経歴は
銀行(三井住友信託銀行)、ノンバンク(SMBCコンシューマーファイナンス、UBIfinance
)で大企業・中小企業・個人向けと種々多様な融資業務を担当してきたほか、担保としての不動産評価だけでなく開発・管理・仲介業務でも不動産に携わってきた。

―サービスの概要は
基本的にはmaneoなどと同様のソーシャルレンディングと考えていただいてよい。
利回り、貸出期間は事前に決まっている。
不動産に特化し、不動産担保付きとしたい。
これまで機関投資家向けのファンドだけで扱っていたような優良物件をLCレンディングでも扱っていく。
ロジコム、LCパートナーズは長らく商業施設を中心とした不動産を扱っており、目利きには自信がある。

―資金の借り手は誰か
当面はLCパートナーズが組成するSPC関連の貸し出しをメインで行うが、いずれは他社へも貸し出しを行っていく予定
すでに興味を持つ会社から引き合いは来ている。

―利回り、貸出期間はどの程度か
利回りは固定で、5%前後を予定している。
貸出期間は数ヶ月から3年程度の予定だが、いろいろなパターンを試して投資家のニーズを探ってみたい。

―maneoはどのように関わっているのか
業務提携の形で、maneoがシステムとノウハウを提供する。
また、投資家の募集、勧誘、審査、管理はmaneoマーケットが請け負い、業務委託料を支払う。
maneoとしては、ソーシャルレンディングのすそ野を広げるためにやる。
リーディングカンパニーであるmaneoのこれまでの実績は投資家への信用にもつながると考えている。

元々ロジコムとmaneoとはつきあいがあり、山中社長はmaneoの親会社であるUBI株式会社の取締役でもある。
ただ、maneo及びUBIとの資本関係はない。

―どのような不動産に投資するのか
首都圏だけでなく地方も対象に10億円から20億円規模を中心とした商業施設などをターゲットとする。
イメージとしては、食品スーパー、ドラッグストアのような生活必需品を取り扱う店舗を含むようなショッピングセンターや、利便性の高い駅ビルなど。
こうした施設は、テナントと10年以上の長期契約を結ぶことが多く、短期的な不動産市場の価格変動にあまり左右されないため、キャッシュフローの安定性は高い。銀行でも高く評価してくれる。
また、この規模の物件はREITなどはあまり手掛けないので、そこにチャンスがある。

―不動産事業自体の利回りはどの程度か
7%前後の不動産が多い。

―自社での不動産開発は行うのか
基本的には完成した物件を購入する。
自社で一から開発を行うことは当面考えていない。

―購入後は転売するのか、賃料収入を得るのか
原則として長期保有して賃料収入を得る想定。
ただしよい条件の売却先があれば転売することもあり得る。

―購入後物件の管理はどうするのか
基本的には親会社のロジコムが行う。
ロジコムは不動産管理が専門で長い経験とノウハウを持っている。テナントの入れ替えなども得意としており様々なテナントに豊富な実績とネットワークを有している。

―いずれ他社への貸出を行うとのことだが、どのような会社に貸し出すのか
まずはLCパートナーズと同じような不動産関連会社を考えているが、審査をクリアすれば一般の事業会社にも貸し出していく可能性はある。

―免許の取得状況は
投資家の募集はmaneoマーケットに委託するので、第2種金融商品取引業の登録は行っていない。
貸金業登録は申請中で、6月末までには取得できる見込み。

―募集案件は複数化するのか
案件は複数化する。
また、貸出先や不動産物件名を明示してほしいという投資家からのニーズは重々承知しているが、監督官庁の指導により他社と同様完全な情報公開はできかねる。

―どの程度手数料をとるのか
投資家から手数料はとらない予定。

―初年度の貸出金額予定は
貸出金額は、LCパートナーズの事業計画から考えると、年間数十億円規模となる見込み。

―顧客資産の分別管理はどのように行うのか
顧客資産は、銀行口座を分けて管理する。

―財務諸表の公開・外部の監査を受ける予定は
設立間もないため現段階では公開する情報はないが、来期より公開する予定。なお、親会社が上場会社なので、我々も当然ながら外部監査の対象とされている。

―セミナーなどの開催予定は
具体的な日程は未定だが今後開催したい。
maneoを通じて告知することも考えている。

―海外の不動産への投資は考えているか
ロジコムグループとして海外のネットワークもあるので優良物件があれば検討するが、まだまだ国内で手付かずの優良な物件がたくさんあるのでいまのところ考えていない。
むしろ、海外の投資家から資金を集めたい。

―最後に、投資家にアピールしたい点は
上場企業の100%子会社であり、コンプライアンス、透明性の面では自信がある。
これらの信用力とmaneoのノウハウを活かしてソーシャルレンディングのすそ野を広げていきたい。

LCレンディング写真4

(インタビュー実施日:2015/6/11)


年利7%!  今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!年利7%! 今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!
(2015/03/10)
中田健介

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  1. 2015/06/17(水) 05:00:00|
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オーナーズブック岩野社長にインタビューしました

先日紹介した新たな融資型クラウドファンディングサービス「オーナーズブック」を手掛けるロードスターキャピタル株式会社の岩野社長にインタビューさせていただきました。

(前回の記事)新たな投資型クラウドファンディングサービス「オーナーズブック」とは

オフィスは、有楽町線銀座一丁目駅の改札を出てすぐのところでした。
銀座松屋のすぐ向かいの通りにあるビルです。
ownersbook1.jpg

オフィスは6階です。
ownersbook2.jpg

左から、運用部長 成田洋氏、代表取締役社長 岩野達志氏、営業部兼経営企画部長 久保直之氏です。
4月に引っ越したばかりだそうで、大変きれいなオフィスでした。
ownersbook3.jpg

<インタビュー内容>

-サービス開始の経緯は
ロードスターキャピタル株式会社は3年前に設立した。
当社は元々不動産会社であるが、中国でSNSサービスを手掛けるRenrenという会社から増資を受けることになったのをきっかけとして、ITを使って何か新たなサービスをできないか考えるようになった。
その中で、本業との相互効果が期待できるクラウドファンディングのアイデアが出てきた。
当初は、通常の融資型クラウドファンディングを手掛けたいと考えた。
借り手や担保となる不動産物件の内容までフル開示したかったが、金融当局から、借り手・物件を特定しないように、また借り手はファンド化するように、との指導があり、調整がつかなかった。
ただ、親子会社間でのローンであれば貸金業法の対象外で、貸金業の免許がなくても手掛けられる。とりあえずその方法で昨年からサービスを開始した。
試験的に行っているので、広告なども出しておらず、投資家もあまり積極的には募集していない。
システムは内製で作った。

-岩野社長の経歴は
外資系ファンドなどで一貫して不動産業を手掛けてきた。
不動産鑑定士の資格も持っている。

-会社の出資者は
中国でSNSサービスを手掛けるRenrenという会社から50%出資を受けている。
後は会社の経営陣が出資している。

-オーナーズブックの借り手はロードスターキャピタル株式会社1社なのか
現在はその形となっている。
そろそろ貸金業の免許を取り、他社にも貸付を行っていきたいと考えている。
ただし、そうすると不動産物件の内容を現在のように開示できなくなってしまうという制約もある。

-金融庁からはどのようにして金融取引事業者第2種の免許を得たのか
当初からクラウドファンディングを手掛けようと思って取得したわけではない。
もともと、不動産の受益権を売買するには、第2種の免許が必要となるので取得した。

-現在投資家数は何名程度か
登録投資家数は280人ほど。そのうちアクティブな投資家は60~70人ほど。
ほとんど知り合いか、口コミで知った人が多い。

-借り入れた資金で購入した不動産物件は、賃貸するのか、あるいは転売する想定なのか。
原則として、購入した物件は賃貸とする想定。
ただし、条件のよい買い手が現れた場合は、売却することもある。
現在のところ対象の不動産はオフィスビルがメイン

-不動産事業自体の利回りはどの程度か
不動産事業自体の利回り(賃貸収入)は、年利5%~7%程度。
銀行からの借入金利は1%~2%程度なので、オーナーズブックで募集するメザニンローンの金利が5%でも、平均すれば利益が出る。

-5%~7%の賃料収入では購入資金の回収に時間がかかるが、オーナーズブックの借入期間は数ヶ月程度のものが多い。これで返済できるのか。
物件の購入資金の調達先は、銀行借り入れが大部分を占めており、オーナーズブックで募集するメザニンローンは一部のため、返済は可能。

-利回りは一律5%なのか。より高利回りの案件を募集する予定はあるか
今後は案件ごとに金利を変えることもしたい。

-投資家に対する利回りはあくまで予定とのことだが、どのようなときに変動するのか
タイムラグがあるので、若干下がることもある。
転売した時は、もっと利回りが高くなる可能性もある。最大15%程度。

-借り手が1社ということは、もし1つの案件で返済不能になったらすべての案件が同時に返済不能になるということか。
1つの案件で返済不能になった場合は、すべての案件が返済不能になることはあり得る。
ただし、純資産は12憶円と経営的には安定しているので、そうした可能性は低いと考えている。

-顧客資産の分別管理は
口座は分けて管理している。
ただ、maneoのように会社自体を分けて管理はしていない。

-オーナーズブックは、投資家向けのSNSを提供しているが、これはどのようなものか。何のために作ったのか。
Facebookを意識している。「友達」となった投資家が、どの案件に投資しているか見ることができる。
不動産投資に詳しい投資家の実績を参考にしたりできる。
また、各案件に対してコメントしたり、投資家が相互にメッセージを送ったりできる。

-今後のオーナーズブックの展望は
現在は試験的にサービスを提供しているが、将来的には長期のローンも手掛ける予定。
なお、投資家からの手数料で儲けようとはあまり思っていない。

-エクイティ型クラウドファンディングへの参入は
REITの個人版のようなものも考えている。
利回りは実績に応じて変動で、流動性のある商品となるだろう。

-今後投資家向けのセミナーなどを開催する予定は
貸金業の免許がとれたら、セミナーなどもやっていきたい。

-現在サイト上で財務諸表を公開していないが、今後公開する予定は
財務諸表は今後公開していく予定。
昨年の経常利益は2億円程度。
自己資本でやっている部分が多い。

-海外の不動産に投資する予定は
アメリカの不動産型のクラウドファンディングとの提携を検討している。
国内よりも利回りを高くできる。10%程度を見込んでいる。

-他の融資型クラウドファンディング業者についてはどう考えるか。
不動産担保ローン型の融資型クラウドファンディングでもっと高利回りを提供する業者もあるが、案件の内容を見ると、短期で転売する想定で、また購入資金の大部分をクラウドファンディングで調達しているようだ。
万一売却できなかったらどうなるのかという懸念はある。

(インタビュー実施日:2015年6月1日)


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  1. 2015/06/06(土) 05:00:00|
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【サイト開設2周年企画第2弾】maneo妹尾社長特別インタビュー

今回は、サイト開設2周年企画第2弾です。

前回のエクスチェンジコーポレーション(AQUSH)ラッセル・カマー社長への特別インタビューに続き、maneo株式会社妹尾社長にインタビューを行いました。

妹尾社長の大変なご厚意により実現しました。
妹尾社長にはこの場を借りて改めてお礼を申し上げたいと思います。
ありがとうございました。

なお、インタビューはmaneo株式会社のオフィスにて行いました(実施日:2013年2月6日(水))

maneoインタビュー


<審査について>
けにごろう:
これまで法人向け貸付については1件もデフォルトが出ていない。
審査の方法を個人向けと法人向けとではどのように変えているのか。

妹尾:
個人向けは半ばオートマティックにスコアリングをして審査していたが、法人向けは1つ1つ手作業で審査を行っている。
まず法人については、すでに取引のある会社などからの紹介案件が基本となっている。
紹介案件を優先しているのは、「実は会社実態が存在しなかった」という事態を避けるためである。
そのあたりは書類だけではなかなかわからない部分もある。

審査のプロセスはほぼ銀行と同様で、まず財務諸表のチェックを行う。
次に、会社を訪問し、社長と面談して経営についての考え方や資金使途の確認を行う。
また、会社のお金と個人のお金がちゃんと分離されているか・不透明なお金の流れがないかなどを、銀行通帳などを確認してチェックする。

問題なければ、どういうスキームで貸出を行うか考える。
不動産・在庫・売掛債権などを担保にできないか、売り上げの入金口座を当社で管理できないかなどを検討する。
また、他の貸出先やグループ企業とシナジーを働かせることができないかについても考える。
1つ1つの案件をオーダーメイドで作っているのが実態である。


けにごろう:
審査の体制はどうなっているのか。
妹尾社長1人でやっているのか。

妹尾:
最初の段階ではまず私が審査する。私が携わらない案件というのはない。
ただ、次に社外取締役による融資委員会でのチェックを必ず行う。
審査には最低でも1か月・長いものだと6か月以上かかる。
そのため、緊急性を要するような案件は現在は取り上げていない。
審査に一番体力がかかる。


けにごろう:
審査の体制を強化することについては考えているのか。

妹尾:
現在借入の営業は特にしていないが、引き合いがたくさんあり、審査が追いつかない状態。
確かに人材不足が成長のボトルネックになっている。

人を増やしたいとは考えており、人材募集もしているが、なかなかマッチする人がいない。
単純な審査だけではなく、スキームを考える柔軟性も必要。
また、お金を扱う商売なので、なるべく紹介してもらった人を採用できればと思っている。
経歴としては、銀行やノンバンクで事業性の借入を担当していた方でないと難しいのではないか。
貸出先の管理にも人手がかかるので、その意味でも人材はほしいと考えている。


けにごろう:
飲食店向けの融資案件もあるが、飲食店の開業前にそれがはやるかどうかを見極めるのは非常に難しいと思う。
どのように審査しているのか。

妹尾:
ウィンコーポレーションというフードプロバイダ事業を営む会社がグループ会社にある。
フードプロバイダ事業とは、飲食チェーン店の仕入・物流を一体で行う事業であり、そこから派生して売上入金管理も行っている。
そこが飲食店に関するノウハウを持っているので、事業の実現性などについてはコンサルタントを受けている。
実は飲食店案件については、ウィンコーポレーションを通じて持ち込まれるものが多い。
必要に応じて専門的なアドバイスを受けている。


けにごろう:
私が初めて投資した案件は新橋の居酒屋わっつりだった。
先週久しぶりに行ってみたが、とても繁盛していた。

妹尾:
あそこは大変繁盛している。
金曜日などに行くと入れないことも多い。


<案件について>
けにごろう:
紹介案件が中心とのことだが、ウェブサイト上でも融資申し込みを受け付けている。
そちらからの申込案件はないのか。

妹尾:
融資先の間口を広げるために受け付けているが、これまでは審査に通った案件はほぼなかった。
カンボジアのカフェ開業案件はウェブからの申込だったが、それくらい。


けにごろう:
カンボジア・モンゴルなど海外の案件もあるが、為替リスクはどうなっているのか。

妹尾:
為替リスクは、貸し手ではなく借り手が負っている。
為替変動があれば、現地通貨建てでの返済額が増えることもありうる。
カンボジア・モンゴルなどの現地通貨だと為替変動が大きいが、カンボジア・モンゴル共にドルが流通しており、ドル建てでやっているのでややリスクは軽減されている。
借り手にとっては、現地で資金調達するよりも、為替リスクを負ってでも円で調達したほうがはるかに有利。
例えばカンボジアでは不動産担保がないと融資が受けられない。
また金利も15%~20%と高い。


けにごろう:
最近は案件が募集開始されてもすぐに満額になってしまうことが多い。

妹尾:
投資家の皆さんには大変申し訳ないと思っている。
最近毎日のように投資家の皆さんから催促をいただく。
水面下で準備している案件はいくつかあるが、まだ出せない状態。
かといって拙速にやるつもりはない。
やはりデフォルトは絶対に出したくないので、安全性優先でやりたい。

1月は期限前返済もあり、特に返済額が多かった。
そのために現在資金がやや余っている状態。
また投資家数・投資額も日々増えている。
一方で案件は急には増やせないため、一時的に案件不足になっている。
少しずつ解消していきたい。


けにごろう:
貸出の仕組み自体を見直す予定はあるのか。
例えば金利をオークション形式にする・一人当たりの融資金額に上限を設けるなど。

妹尾:
今のところ大きく変える予定はない。
ときどきそういった要望もあるが、あくまで案件不足は一時的な現象ととらえている。
仕組みを変えてしまうと、あとで問題となる可能性がある。


<期限前返済について>
けにごろう:
成立から2カ月程度で期限前返済となってしまったり、モンゴル軽油案件のように一斉に期限前返済となった案件があった。
早期返済について投資家としては理由が知りたいと思うが、理由を開示する予定はないのか。

妹尾:
投資家の信頼を得るために、基本的には情報はオープンにしたいと考えている。
期限前返済についてもオープンにしたいとは思うが、借り手の事情として開示できない場合もあるので、一律公開するというわけにもいかず、その線引きが難しい。
そのため、現状では一律非公開としている。
公開できない理由としては、例えば銀行からの融資を受けるにあたってノンバンクであるmaneoからの借入があると問題となるケースなどがある。
また、不動産関連の案件では、そもそも借入期間を長めに設定していることもある。
不動産が売れれば返済できるが、安全のためにやや長めに設定している。

案件募集の中止については理由を明らかにしている。
「あらしのよるに」のアニメ制作案件では、資金を集めた後に中止となってしまった。
法律的には問題なかったが、maneoでの資金募集について原作者からストップがかかったためだった。


けにごろう:
期限前返済について、手数料などのペナルティを設けることは考えていないか。

妹尾:
現状では考えていない。
借り手にとってはそうした制約がないほうが利用しやすく、制約を設けると敬遠されてしまう可能性もある。


<今後の新サービスについて>
けにごろう:
現在は法人向け貸し出しに特化しているが、新たなサービスの予定はあるか。

妹尾:
審査体制が法人向けにシフトしており、個人向け貸し出しを再開する予定は今のところない。
法人向け融資にはまだまだニーズがあると思っている。
また、法人同士を組み合わせることで新たなビジネスを作っていくこともできる。

ただ、ソーシャルレンディング以外では、映像などのコンテンツに対する資金募集などのクラウドファンディング事業にも将来的には興味がある。
おそらく投資家の層はまったく異なるはず。
インセンティブが金利なのか、何らかの特典なのか、という違いがあるが、資金を集めるプラットフォームは同じなので、親和性はあると思う。


けにごろう:
クラウドファンディングは事業としては利益の得られるものなのか。
少なくとも投資家は金銭的利益目的ではないはずだが。

妹尾:
運営企業は手数料として募集額の20%程度とっていると聞く。
maneoは元本に対して7%程度の収益なので、クラウドファンディングの収益性は高いのではないかと考えている。
クラウドファンディングはコンテンツが勝負。
おもしろいコンテンツ・プロジェクトを集め、投資家の興味・関心を惹くことができれば、収益性の高い事業になるのではないか。


<情報公開について>
けにごろう:
maneoは他の事業者に先駆けて決算書を昨年公開したが、このタイミングで公開したのはなぜか。

妹尾:
なるべく早く出したいとは思っていたが、それまでの決算書はあまり意味のある内容ではなかった。
意味のある内容になってきたのが昨年だったので、そのタイミングで公開した。


けにごろう:
今後さらに情報公開を進める予定は。

妹尾:
出せるものと出せないものはあるが、なるべく投資家の期待にこたえたいとは思っている。
貸出先の決算書・事業計画については、公開しても問題ないものは公開している。
ただ、逆に公開することで投資家を混乱させてしまうようなケースもある。
そうした場合はあえて出さないこともある。


<maneoシステムについて>
けにごろう:
maneoシステムのような複雑で規模の大きなシステムを構築・運営するというのはなかなか大変だったと思う。

妹尾:
システムを作るときは10人程度のエンジニアで作った。
現在は1名で運営している。
特に大規模なトラブルもなく運営できている。

最近は特に案件リリース直後に投資家のアクセスが集中し、システムの負荷が高まり、アクセスしにくい状態となってしまうことがある。
この点については改善を進めている。

maneoでは決済システムは持っておらず、銀行のシステムを利用しているため、その部分の難しさはなかった。
ただ、重要な顧客の口座データを扱っているため、クラウドではなく自前のサーバを使用している。
大規模災害に備えシステムバックアップも行っている。
お金を扱うビジネスとして、データが消えるなどのシステムトラブルは絶対に避けたい事態。
システムには今後も十分な投資を行う。


<ソーシャルレンディング業界について>
けにごろう:
ソーシャルレンディングというサービスは、欧米ではすでにZOPA,lending clubなどの大きなサービス会社があり、金融市場の中である程度の存在感を示している。
それに対し、日本では、規模は拡大しているとはいえ、市場全体の中における割合・認知度はまだ低いと感じている。
それについてはどう考えているか。

妹尾:
現状認識については同感で、知名度や潜在的なマーケットの中での割合はまだまだ低いと感じている。
これまでmaneoでは70億円程度の貸出を行ったが、マーケット全体からみれば何百分の一程度の割合に過ぎない。
逆に言えば伸び代は大きいということ。

ソーシャルレンディングがブームとならない原因としてはいくつか考えられる。

まず参入企業数が少ない。
参入するうえでの障害として、システムを作るのが大変ということがある。
SBIソーシャルレンディングが参入した時に、もう少し知名度が向上するかと思ったが、そうでもなかった。

また、3社とも広告宣伝をほとんど行っていないことも要因。
広告宣伝するだけの体力があるところがない。
ネット生保などは既存の大企業がスポンサーとして入っていることが多く、知名度も広告宣伝する資金力もあった。
ソーシャルレンディング3社はいずれもベンチャー企業で、資金力で不利な面はあった。

知名度・信用度を上げる手段として、例えばIPO・株式公開が考えられる。
ゴールではないが、手段としてはあり得る。
3社のうちのどこかが公開できればよいと思う。
われわれとしても頑張っていきたい。

アメリカでは1社で1000億円程度の貸出を行っているところもある。
日本では、一気にその規模に行くのは難しいが、まずは100億・200億を目指したい。
100億を達成すれば、いくらか注目されるのではないか。

メディアに取り上げられることも多いが、伸びきらないのは、投資家にとって怖いという心理があるのではないか。
日本では投資詐欺などもあり、心理的なハードルが高い。
そうした不安を払拭するために少しでも情報公開を進めている。
投資家はあまり周囲の人に投資について話すことが少ないのではないか。
口コミ効果が働きにくいのかも知れない。

ブレイクしないというのはその通りだが、必ずしも急速に規模を拡大することが良いとも考えていない。
無理に数字を追及して投資家に損失を与えることがあってはならない。
貸し倒れという事態を少しでも減らすように努力し続ければ、いずれはブレイクスルーに達すると考えている。
現在、投資家数・投資額とも増えており、その兆しは見えていると感じている。
現在、当社の経営自体は安定しており、その面で投資家に迷惑をかけることはない。

本を出したのも、少しでも当社のサービスについて知ってほしいという気持ちから。
こうした地道な活動も重要だと感じている。
  1. 2013/02/20(水) 17:06:26|
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【サイト開設2周年企画第1弾】AQUSHラッセル・カマー社長特別インタビュー

当サイトを開設して3年目を迎えました。
そこで、今回はサイト開設2周年を記念して、特別企画をお送りします。

何と「株式会社エクスチェンジコーポレーション(AQUSH)ラッセル・カマー社長への特別インタビュー」です。

私がカマー社長にAQUSHの現状・今後についてインタビューを行ったものです。

カマー社長・大前副社長の大変なご厚意により実現しました。
(なお、自分は英会話ができないため、大前さんに通訳していただきながらのインタビューとなりました。)

カマー社長・大前副社長にはこの場を借りて改めてお礼を申し上げたいと思います。
ありがとうございました。

AQUSHインタビュー

「株式会社エクスチェンジコーポレーション(AQUSH)ラッセル・カマー社長への特別インタビュー」

<昨年開始した新サービスについて>
けにごろう:昨年は法人向け貸出・ASAX不動産担保ローンと続けて新サービスを開始したが、どういった背景・狙いがあったのか。

カマー:ソーシャルレンディングという効率的にお金を個人から借り手に流す仕組みについては従来と変わらない。
これまでも事業目的の借入が1/3程度あった。事業目的の貸出に対するリスク評価についてのノウハウもたまってきたので、自然な流れとしてサービスを拡張した。
ASAX不動産担保ローンについては、戦略的な目的があった。無担保ローンとは異なるリスクプロファイルの商品を作りたかった。不動産担保に加えて上場企業であるASAXの保証があるため、リスクは非常に低い。それでも銀行預金よりははるかに高い金利の商品であり、そうした商品を求める投資家のニーズにこたえるものである。

けにごろう:昨年電通国際情報サービス(ISID)との提携についてプレスリリースがあったが、どういう提携内容か。

カマー:ISIDは金融システムについてのノウハウを持っているし、AQUSHにはシリコンバレーとのつながりがあり金融サービスについての知識に強みがある。一緒に新しいビジネスについて3年間かけて研究していこうというのが提携の狙い。
ISIDは、FBIC(FINANCIAL BUSINESS INOVATION CONFERENCE)という金融サービスに特化したイベントを主催しており、そこでAQUSHのサービスを紹介してくれている。
ISIDはほかにも金融系のスタートアップを支援している。
提携の中でノウハウが貯まっていくことで、将来具体的なサービスに結び付いていくかもしれない。また、AQUSHのローン管理システムをISIDが外販したりすることがあるかも知れない。

<AQUSHの貸倒率について>
けにごろう:AQUSHの貸倒率は現時点で0.4%程度と非常に低い。以前maneoの個人向け貸出では貸倒率10%以上・SBIソーシャルレンディングでは6%以上の遅延率となっている。AQUSHでは貸倒率を低く抑えるためにどういった工夫をしているのか。

カマー:借り手の審査についてはわれわれに非常に重大な責任がある。特に秘密があるわけではなく、FICOモデルを利用したシステムなどに多くの投資をしている。投資家に大きなリターンを出すということを目指してやっているということが低い貸し倒れにつながっている。
また、ソーシャルレンディングの審査でJICC,CICの両方の情報を使っているのはAQUSHだけであり、データを重視するビジネスをやっていくという方針に基づき審査を行っている。
一方でこれまでラッキーであったという面もある。今後ビジネスの規模が拡大すれば、若干(貸倒率が)上昇することもあるかもしれないが、リスクに対して慎重に運営していくという姿勢は変わらない。
既存の貸金業者・クレジット会社などのベストプラクティスを学んでやっている。個人向け貸出のエキスパートもスタッフの中にいる。

<AQUSH金利水準について>
けにごろう:昨年11月から大きくAQUSH金利水準が上昇したが、その原因は法人向け貸出を開始したためと理解してよいか。

カマー:その通り。AQUSHの金利は借入規模と貸し手資金のシーソーゲームにより常に変動する。今は借入のニーズが非常に増えている時期であり、金利は上昇している。今後はより多くの投資家を呼び込み、ビジネスの規模を何十倍にも拡大していくことを重視する。

けにごろう:借り手となる法人の規模・業種・借入金額の傾向はどうか。

カマー:借り手となる法人は、業績が良くキャッシュフローがちゃんと出ているが、何らかの理由で銀行など通常の金融機関から借りることが困難な企業である。
例えば、設立してからの日が浅く、銀行からの与信がつかない・金融機関で受け入れられる担保を持っていない、などの理由である。
また、大手銀行や投資銀行などが手がけるには借入の規模が小さすぎる場合もある。AQUSHではそうした借り手に対しても、リスクを抑え貸し手にリターンを出せるような貸出を行っている。
法人向け貸出はまだ始まったばかりで、平均貸出額の傾向については何とも言えないが、感覚的には5000万円~1億円程度の規模が中心になるのではないかと考えている。
5年先・10年先に資金が十分集まるようになれば、例えば大企業の債券をAQUSHで募集したりすることもあるかも知れない。

けにごろう:どういうチャネルで法人向けの貸出を募集しているのか。これまで通りWEB上で募集する以外に何か別のチャネルがあるのか。

カマー:チャネルの開拓についてはわれわれの今後の課題である。個人向け・法人向け・不動産担保とも、どういったチャネルで借り手を集めていくか今考えている。例えば投資家に7%のリターンをもたらすためにはより多くのチャネルが必要である。借入のボリュームが大きくなれば、それだけ高い金利でも借りてくれる人が増えるだろう。

<情報公開について>
けにごろう:現在、AQUSHでは決算情報・貸出残高などの情報を公開していないが、今後公開の予定はあるのか。

カマー:今後もう少しAQUSHの規模が大きくなれば公開したいと考えている。
これまでAQUSHはサイズの拡大よりも投資家にしっかりとリターンを出すこと・デフォルトを極力抑えることを重視してきた。今後もその方針は変わらないが、サービス開始から3年がたったので、情報を更新していきたい。毎年倍々ゲームで規模は拡大しているので、いずれ公開できると考えている。
繰り返しになるが、投資家にどれだけのリターンを返すかが重要だと考えている。

けにごろう:他にも例えば、グレードごとのデフォルト率・返済遅延率・個人/法人の比率・法人向けの貸出規模・資金用途などの情報についても公開してもらえると、投資家としてはより安心して投資できる。

カマー:統計データをもっと公開してほしいということだと理解した。今貸出先などについて統計データをまとめて公開予定なので、そのために参考にしたい。

<今後のサービスについて>
けにごろう:昨年は新サービスをいくつかリリースしたが、今年も新サービスを開始する予定はあるのか。

カマー:現在のところは新サービスよりも既存のサービスを充実・拡大していくことに集中している。
特に投資家の利便性を高めることが重要だと考えている。
例えば、my aqushに毎月返済元本がいくら入ってきたかをわかりやすくしたい。また返済元本を再投資せずに放っている人も多い。そういったところをよりわかりやすく、楽しくするために改善していきたい。

<ソーシャルレンディングの今後について>
けにごろう:ソーシャルレンディングというサービスは、欧米ではすでにZOPA,lendingclubなどの大きなサービス会社があり、金融市場の中である程度の存在感を示している。それに対し、日本では、規模は拡大しているとはいえ、市場全体における割合・認知度はまだ低いと感じている。
それについてはどう考えているか。

カマー:AQUSHとしては新しい投資家が集まっており、成長しているという実感はある。3年かかるか10年かかるかわからないが、AQUSHとしては、投資家へのリターンを出していくこと・デフォルトを抑えることに集中し続けることで、国内で評価されていくと考えている。


(インタビュー実施日:2013年1月18日(金))
  1. 2013/01/30(水) 12:00:00|
  2. インタビュー
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  4. | コメント:2

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当サイトでは、「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」の2015年7月までの記事を掲載しています。 最新の記事は、下記のリンクよりご参照ください。
「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」(新)
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kennygorou931old

Author:kennygorou931old
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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